「えっ!会計や数値が得意な人でも、大量の数値を見るのは嫌いなの!?」
そう思われたかもしれません。
20年以上会計の現場に携わってきた私の実感を言えば、答えは「YES」です。
私自身も嫌です
どれほど数値に強い人であっても、大量の数字が並んだ資料を見るのは苦手ですし、結局は「自分の好きな数値・気になる数値」しか見ていません。
決算資料を「見てもらえる資料」に変える唯一のコツは、数字を極小化し、グラフをシンプルに可視化することです。
情報を削ぎ落とすことで、相手に一瞬で伝わるだけでなく、実は資料作成の手間も劇的に楽になるという大きなメリットがあります。


なぜ決算書やレポートは数値だらけで分かりにくくなるのか?
そもそも決算書とは、日々の業務成果を可視化した資料です。
それなのに、なぜこれほど複雑で数字が羅列されているのでしょうか。
複雑化の歴史的背景と「盛り込みすぎ」の心理
決算書を最初に考案したのは数学者でした。
さらに「あらゆる角度から確認したい」という要望が長年積み重なった結果、現在の膨大な数値が並ぶ形に変化していったという歴史的背景があります。
あなたにも、こんな経験はありませんか?
資料を作っているうちに伝えたい数値やグラフがどんどん増えてしまい、気づけば「カラフルなExcel資料を作ったものの、結局どこを見ればいいのか分からない」という状態になってしまったことが……。
かくいう私も、昔は目がチカチカするような眩いExcelの表や、線が重なって太い一本の線になっているようなグラフを作っていました。
上司から「お前の資料はカラフルでええな」と嫌味を言われたことを思い出します。
今思うと本当に恥ずかしいです。
分析の師匠から学んだ「伝わる可視化」3つの黄金ルール
私がこれまでお世話になった数々の師匠の中でも、「分析の師匠」のもとで働いていた時に教わった重要な教訓があります。
1. グラフの要素は「3本まで」、多くても「5本」
分析の師匠はこう言いました。
「グラフの要素は3本まで。多くても5本にしなさい。なぜなら、人間はそれ以上見ないから」
会計チェックの際は全項目をくまなく確認しますが、分析や意思決定の場面で全ての数値を見る必要はありません。
私は上記を意識して資料を作っているので、現在では「資料が見やすい」と褒めてもらえることが多いです。
2. 取締役会で議論される「5つの重要指標」だけに絞る
過去に仕事をご一緒した非常に優秀な社長は、全取引先の支払い情報を頭に叩き込んでおり、振込確認の際にすべての取引先をチェックする会議を行っていました。
しかし、誰もがその社長のように記憶できるわけではありません。実際の取締役会で本当に議論されている主要な数値は、以下の5つ程度です。
例えば、下記のように会社の大きな数値や重要な数値です。
- 売上がどうだったのか?
- 利益は出たのか?
- 広告費は適正なのか?
- 在庫は積み上がっていないか?
- キャッシュは大丈夫なのか?
この本質的な数値以外を削ぎ落とすことが、可視化の第一歩です。
それまで、毎回の会議で貸借対照表と損益計算書の細かい読み合わせばかりしていましたが、資料を簡素化したことで過去の数字の確認ではなく「未来への議論」に会議の時間がシフトしたことがあります。
まとめ:ゴテゴテ資料を卒業して「見てもらえる決算資料」を作ろう
このような経緯から、私は決算書の数値を極力少なくし、シンプルなグラフで可視化することに重点を置いています。
情報をゴテゴテと盛り込まないシンプルな資料づくりを徹底すると、以下のメリットが得られます。
- 見る人(経営者やチーム)が一瞬で状況を理解できる
- 「どこに装飾や色をつけるか」で悩む必要がなくなり、作成が圧倒的に楽になる
資料は「見てもらえて、行動に繋がってこそ」価値を発揮します。
ぜひ、次回の決算資料やレポート作成から、数値を削ぎ落とした「シンプルな可視化」を試してみてください。
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