月次決算は完璧を捨てるのが正解!?経営のPDCAを爆速化する3ステップ

会計

「月次決算は完璧に仕上げなければ意味がない」と思っていませんか?

なぜなら、月次決算で最も重要なのは「完璧さ」ではなく「スピード」だからです。

時間をかけて完璧な数字を出すよりも、大雑把(概算)でも素早く数字を把握して経営のPDCAサイクルを回すことの方が、会社経営においてははるかに価値があります。


なぜ月次決算で「完璧」を求めてはいけないのか?

「決算」という名前がついている以上、1円のズレもなく正確に作らなければならないと考えがちです。

しかし、どれほど完璧を目指しても、最初から正確な月次決算を作ることは不可能です。

完璧を目指しても抜け漏れが発生する3つの理由

どれだけ精緻に処理しようとしても、以下のようなイレギュラー項目によって必ず抜け漏れが生じます。

  • 2ヶ月に1回の支払い・入金
  • 年1回の年払い費用
  • 予測できない突発的な取引

社内ルールの未整備が計算の遅れを引き起こす

また、月次決算が遅れる原因は経理部門だけではなく、社内体制にも起因します。

  • 現場から請求書が提出されない
  • 立替経費の領収書が期限内に届かない
  • タイムカードの打刻がずさんで給与確定が遅れる

提出ルールが定着していない段階で完璧を求めると、決算作業そのものがストップしてしまいます。

私自身の失敗談:精度が低い決算で意思決定を誤った過去

私もサラリーマン時代に、初めて月次決算をした時は、50日ぐらい経ってからです。

私もサラリーマン時代、初めて月次決算を担当した時は提出までに50日ほどかかり、しかも精度はボロボロでした。

売上を集計する仕組みがなく、広告費の請求書が2ヶ月遅れて届くなど、構造を把握できていなかったからです。

当時はその精度の低さを伝えずに役員会議に出してしまい、「利益が出ている」と勘違いして、広告費を追加投入するという、経営施策ミスを誘引した苦い経験があります。

ルールを整えて社内レベルを上げるには時間がかかります。

だからこそ、仕組みが整うまでは「概算で見積もった数値」で月次決算を組み、スピードを優先するのが正解なのです。

精度より速度!概算で進める月次決算3つのステップ

月次決算を素早く組み立てるための、具体的かつ実践的な3つの手順を解説します。

STEP1:売上集計から始めよう

まずは売上の把握から着手します。

  • 初期目標:毎月10日以内に売上を把握する
  • 最終目標:月初「1営業日目」に売上を把握する

私は支援に入る際、まずこの売上把握の仕組みから手を入れます。経理に直接請求書が届くルールにしたり、システムを導入したりして仕組み化を目指します。

ただし、ここが一番の難所です。

なぜなら、事務職にとっては簡単でも、現場の営業職にとっては「手間が増える作業」になるため、なかなか動いてくれないからです。

現場がすぐに動いてくれない場合は、いきなり全員に完璧を求めず、以下のような工夫で「情報を確保すること」から始めましょう。

  • 事務が得意な営業担当を味方につける:まずは事務手続きが得意・几帳面な営業担当者に個別に頼み、モデルケースを作る。
  • メールのCCに入れてもらう:お客様とのやり取りや受注連絡のメールCCに経理を入れてもらい、数値を拾う。
  • 会議の議事録をチェックする:営業会議などの議事録から、見込み売上や確定案件の情報を確認する。
  • 期日前の事前声かけ:すでにシステムがある場合は、締め日直前ではなく「期日前」にリマインドのリモート・直接声をかける。

社長や役職者に働きかけて仕組み化を進めますが、上層部の動きが重い場合も改善には時間がかかります。だからこそ、上記のような工夫でまずは「概算の売上」だけでも確実に吸い上げることが大切です。

STEP2:売上総利益(粗利)は比率で算出する

月次決算で最もつまずきやすいのが「原価計算」です。個別の原価を厳密に把握する仕組みができるまでは、「前年または前月の粗利率」を使って概算で計算しましょう。

STEP3:経費は過去の数値を参考に当てはめる

経費に関しても、正確な数値を把握する仕組みが整うまでは、「前年同月や前月の実績値」を仮の数値として手入力すれば問題ありません。

月次決算を定着・進化させる「2段階実施」と仕組み化

月次決算をスムーズに運用するおすすめの方法は、「概算月次」と「確定月次」の2回に分けて実施することです。

1.概算月次(月初すぐ): 概算数値で素早く全体像をつかみ、経営の打つ手を考える
2.確定月次(月中旬など): 正確な数値に修正し、確定させる

実は、プロである税理士に依頼する場合でも、スピーディーな経営判断を行うためにこの「2段階アプローチ」がよく用いられます。

月次決算を毎月続けていくと、経営者も現場も「もっと正確な数値が見たい」という意識へ自然と変化していきます。その欲求が出てきてから「どう仕組み化すればよいか」を考え始めることで、結果として数値の精度は後からついてくるのです。

まとめ:まずは月1回の数値把握からスタートしよう

最初から100点満点の完璧なデータを作ろうとする必要はありません。まずは「月初10日」など決まった日に集まり、概算でもいいので会社の数値を確認する習慣をつけましょう。

完璧を捨ててスピードを取ることが、経営のPDCAを爆速で回すための最初の一歩です。


ブログに関して、質問やリクエストがある人は気軽にどうぞ

いつもチップありがとうございます!
チップはブログの励みとなります。応援していだけると嬉しいです